ベンツ乗りの方なら、⇩の「ブレーキパッド摩耗」の警告を見たことがあるという方もいると思います。
ピンッ!という音とともにディスプレイに表示され、ドキッとしますよね・・・。
この警告とともにディーラーへ駆け込むと車種によっては30万円オーバーの修理になることもしばしば。
正統なベンツ乗りの方は、警告が出る前に定期点検でブレーキ交換などを行われていることでしょう。
しかし!中には私のように好きだからベンツに乗っているけど、できる限り維持費は安くしたい。
という方も少なからずいると思います。
かくいう私はそもそもが整備士ですので、ディーラー出すなら自分でやるわって理由なのですが。
普段は建機や産車をメインでやっているので、乗用車は正直苦手です。
ですので交換方法を調べてみたのですが、なかなかいい情報がなく、
とりあえずやってみたところいい感じにでき、先日ユーザー車検も無事通りました!
ちなみにかかった費用ですが、
今回は左右リヤブレーキパッドだけの交換で、15,000円程しかかかっていません。
めちゃ安いですよね!これぞDIYの醍醐味です
というわけで、その時のブレーキパッド交換を写真付きで解説していきます!
今回の車種はGL350ブルーテック(2015年式)です。
ただ、私流ですので、参考程度にしてくださいね!
準備する工具と部品
【工具】
・低床ジャッキ(車載ジャッキでも可)
・安定用のウマや盤木
・ホイールナットレンチ(車載レンチでも可)
・スパナ、メガネレンチ、ラチェット、+-ドライバー等(基本インチですが、ミリ工具なら8~19mmぐらい揃っていればOK)
・輪止め
【部品】
・交換用ブレーキパッド
・ブレーキフルード(車種指定のもの。今回はDOT4)
・廃ブレーキフルードタンク(ゴムチューブと空缶とかでもOK)
上記は最低限必要な工具や部品です。
下記に、あったら便利なモノも載せておきます。
・エアーコンプレッサー&インパクト&エアダスター
・ハンマーやパイプ
・サンドペーパー(60番ぐらいの粗目のもの)
・パーツクリーナー
・ブレーキグリス
・ブレーキフルードリザーブタンク
・チェックバルブ付き廃タンク
これが全部あるなら楽勝ですが、上記の必須工具だけでもできますので安心してください。
では準備ができたら早速作業を始めていきましょう!
まずブレーキパッド交換モードをONにする
リヤブレーキキャリパーには電動パーキングブレーキ用のアクチュエーターがついています。
そのためパーキングブレーキを解除しても、それ以上はピストンが戻らないようになっています。
ですので、そのままではパッド交換ができないので、
まずそのアクチュエーターをブレーキパッド交換位置へと変更しなければなりません。
とはいっても特に作業は必要なく、ハンドルのボタン操作だけで変更できます。
ではその手順ですが、
※実行するとパーキングブレーキを解除したのと同じ状況になりますので、
必ず平坦地で輪止めをしてから始めてください。
- ブレーキを踏まずにキースイッチを一度だけ押します。キー差し込みタイプは1段だけ回します。(ACCモードにする)
- メーターパネルは「トリップ」を選択して表示させておきます。
- その状態でステアリング右側の「通話ボタン」を押します。
- 通話ボタンを押したまま1秒以内にステアリング左側の「OK」ボタンを押します。
- そのまま押し続けているとメーターパネル上に隠しメニューが出てきます。
- 隠しメニュー内の「ブレーキパッド交換」を選択します。すると確認画面が出てきます。
- そのまま「OK」を選択すると、リヤブレーキから「ウィーン」と音が聞こえてきます。
- メーターに「フィッティングポジションに移動しました」と表示されれば完了です!
作業開始はジャッキアップとタイヤ外しから
パッド交換モードへ変更完了したら、早速作業を始めていきましょう!
まずはジャッキアップですが、
ジャッキアップ後に、「エアサスの調子が悪くなった」というトラブルを耳にします。
このトラブルを防ぐためには、「ジャッキアップ中にエンジンをかけない」というのが一番です。
それと、キーOFFしてから2分以内にジャッキアップするのもNGだそうです。
① キーOFFして2分以上経過してから、ジャッキアップすること
② ジャッキアップ中はエンジン始動しないこと
私はこの2点を守っているだけですが、いままで一度もトラブルは発生していません。
ジャッキポイントは⇧写真の丸部あたりにありますので、低床ジャッキもしくは車載ジャッキで上げていきましょう。
今回はリヤの交換なので、交換したい片側リヤタイヤだけが浮くようにジャッキアップすればOKです。
車載ジャッキを使う場合は、ツルツルとしたコンクリートの上や、砂地は滑りやすいので避けてください。
ジャッキアップが完了したら、万が一のためにウマや盤木を入れて支持しておきましょう。(サスペンションアームの下あたりがフラットなので支持しやすいです。)
次はインパクトや車載レンチを使ってタイヤを外していきます。
タイヤを外すときに無理に力を入れたりしてジャッキが滑らないように気を付けてください。
⇧タイヤを外すとこの状態になります。
この丸い円盤がブレーキディスクローターです。
だいたいディーラーでは、パッドとセットでこのローターも交換をされてしまいます。
ただこのローターが高いんです…。
私は1~1.5mm程度の摩耗なら交換しません。ですので今回も交換していません。
産業車両では2~3mm減っていて、さらに表面が波々になっていても交換しないことはよくあることです。ただ産車での話なので参考になりませんが…。笑
ですので、キャリパー交換方法は別の機会にご紹介できればと思いますので今回はご了承ください。
つづいてブレーキキャリパーを外していきます。
ブレーキキャリパーの取外し
キャリパーを取り外す前に、ブレーキパッドを少し戻してあげたほうが外しやすいので戻します。
戻し方は、ローターディスクとパッドの隙間をテコの原理でクイっとやるだけです⇩
戻しすぎるとフルードタンクからブレーキフルードがあふれる可能性があるので気を付けてください。
心配な場合や、硬くてパッドが戻せない場合はキャリパーブリーダーを開放してそこからフルードを抜きながらやりましょう⇩
ブリーダーを緩めるとフルードが出てくるので廃タンクやゴムチューブで飛散しないようにしましょう。⇩のように廃タンクが接続できれば理想的です。
クイっとブレーキパッドが戻せたら。いざ、キャリパーを取り外していきます。
ほとんどのブレーキキャリパーは、アクスルに2本のボルトで取り付けられています⇩
これがキャリパー上側の取付ボルトなのですが、ボルト頭が18mm(正確には11/16インチ)です。
奥まった位置にあり、インパクトが入らずレンチで緩めるしかないのですが、結構固いのでパイプやハンマーを使用したほうが外しやすいです。
取付ボルトを上下2本とも外すと⇩
このようにキャリパーを取り外すことができます。(この写真はパッドも取り外した後ですが。)
ブレーキパッドの取り外し
キャリパーの次はパッドを取り外します。外し方は、
⇧このキャリパーのコの字になっているところに、
⇧パッドのこの耳の部分がスライドされて取りついていますので、スライドしながらパッドを取り外します。このときついでに、
⇧この真ん中の丸い部分が濡れていたり、油がにじんでいる感じがないかをチェックしておきましょう。
この丸いのがブレーキピストンなのですが、
ちょっと油っぽいのがにじんでるけど大丈夫でしょ!
なんて軽いことは言わないでください。下手すりゃブレーキ効かずに事故って死にます。
ピストンから漏れている場合はキャリパーオーバーホールが必要です。
重要保安部品の修理になりますので、経験者以外は必ずディーラー等でしっかりと整備をしてもらってください!
では、パッドの取り外しまでできれば折り返し地点ですので、【取付け編】へと進んでいきましょう。
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